ふるさと塾印
'08-Summer
'08-Summer

 

季節
タ イ ト ル
掲載 期日
鹿の子百合の季節   ’08. 8. 8
色づき始めた葡萄   ’08. 7.19
今年の梅雨   ’08. 6.24
ホタルの乱舞   ’08. 5.28

 
お急ぎでない方は
 
8/ 8 掲載       A WEEK-SHOOT JPG   
咲きみだれるかのこ百合
 

鹿の子百合の季節
  我が家の裏庭の一隅に、ヤマユリが咲き終わった頃、華麗にその時期を誇る鹿の子百合の株群があります。
  「土用百合」や「七夕百合」とも呼ばれ、和名は花弁に鹿の子模様の斑点があることからだそうですが、名前のとおり可憐で優雅な姿です。
  どこにでもあると思っていましたが、意外にも絶滅危惧II類(環境省レッドリスト)に昨年8月にレッドリストされているようです。

  カメラに収めている姿を見ていたのでしょうか、その後、親父がぼそっと呟きました。「あの百合は、俺がこの家に来るときに実家から持ってきたのだ…」と。
  60年近く一緒に暮らしているのに、初めて聞く話でした。
  終戦後、3年近くシベリアに抑留されて人より遅く復員してきた親父は、遠縁なるが故に戦死した父の後添いとして我が家に来てくれたのです。
  戦争のことや抑留生活のことはあまり話したがらない親父ですが、この花を持って来た青年の頃の思い出が蘇ったのでしょうか…  この花は、そんな優しさも持ち合わせているようです。

(8/ 8  長崎の原爆忌を前に…)
 

 
7/19 掲載       A WEEK-SHOOT JPG   
一粒一粒が微妙に色づいている果房
 

色づき始めた葡萄
  今年の春、友人から譲り受けた二株の葡萄「巨峰」がすっかり根づいて、順調に成長しています。
  既報のとおり、一株は畑の隅に棚仕立てにしてますし、もう一株は二階のパソコン工房への階段に這わせていますから、朝夕その成長を観察できるのです。
  今朝は思い切って紙袋から出してみました。一粒一粒が成長の過程を示して微妙に違いをみせながら色づいています。

  近所の人達は、いきなり葡萄の紙袋がブラブラ目についたものだから驚いていますが、鉢植えしてあった6年ものを苦労して軽トラックで運んできた甲斐がありました。
  これまで、棚つくりに近所の加勢を受けたり種なしへの処理をしたり、病虫害予防のための薬剤散布をそれぞれ一回、もとの株主や自称園芸家が押し掛け実地指導してくれたのが二回…、いろんな人を巻き込んで始めた葡萄栽培です。
  この調子でいくとうら盆には、我が家で育った葡萄を仏壇に供えることができそうです。    

(7/19  紙袋の中で育っている果房)
 

 
6/24 掲載       A WEEK-SHOOT JPG   
夜空に開く花火を思わせる「墨田の花火」
 

今年の梅雨
  カミさんが、裏のお寺から鉢植えの「墨田の花火」を貰ってきました。玄関傍の花鉢群の中で、異彩を放っています。純和風の粋な名前の割には、西洋種だそうですが、隅田川に花火が上がり儚く散るさまを思わせる真っ白い八重咲きの花がとっても綺麗です。
  それにしても、今年の梅雨は珍しく本格的で、よく降ります。
  6月19日には、松浦川の源となる黒髪山地方では時間雨量50o、累計雨量150oを超える集中豪雨だったようで、村のシンボルとも言える「いかだ橋」が流失してしまいました。村中の人が確かめに押し掛けて、有線放送で「近づかないで」と2度も注意する程でした。
  また、その雨のせいでしょう、元の小学校のグランウンドの中央にポッカリ穴が開きました。駆けつけてみると、僕が高学年の頃に拡張された際のお隣の水田との用水路が真ん中を横切って残っていたのです。そんなこんなで、人騒がせな今年の梅雨空です。    
(6/24  庭先の鉢植えアジサイ)
 

 
5/28 掲載       A WEEK-SHOOT JPG   
竹灯篭の幻想的な雰囲気の中に舞う蛍
 

ホタルの乱舞
  日曜日の夜、ふと思い立って北波多稗田の「古窯の森公園」に蛍見物に出掛けました。
  宣伝されていた市民吹奏楽団の演奏は終わっていて、道路に沿って配置された竹灯篭を頼りに小川のせせらぎの音の方に目を向けると、か細く光る蛍の群がいました。二、三十匹くらいのホタルが思い思いに漂っているのですが、圧倒されるような数でもなく、かえって幻想的に見えました。
    (写真は、数枚の合成です)
  こうなるまでには、地元住民の方が十数年前から、餌やりや田畑での減農薬などに取り組み、ホタルが育つ環境を整備されてきたのだそうです。
  いつかはテレビで、アイガモによる自然農法を通じて農村環境を守る取り組みが紹介されていましたが、ハード面の整備や観念的な必要性よりも、動物や生物、植物を通じての共生こそが、田舎に住む人々自身の中に「自分の土地への愛着」が根付くのではないかと考えたことでした。
  今年は無理でも、今から「ホタルに教わる村づくり」を提唱しなければと思わせられた初夏の入りです。
( 5/25 古窯の森公園にて)
 
 

 
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